ダイアログの活動を守り、継続するために、いまあらためてみなさまにお願いがあります。

ドラマティックなダイアログの運命を、良い兆しに変えるためにお力を貸してください。

先が見えなくなった今だから暗闇を明るくします

2020年7月14日。
私たちは、応援くださる方々とともにダイアログ・ミュージアム「対話の森」を常設展としてオープンする予定でいます。
皆様からは、感謝してもしきれないほどのご支援、ご協力をいただき今があります。

ダイアログ・イン・ザ・ダークの日本初開催から20年。その歴史は波乱万丈極まりないものでした。
開催当初は、視覚障害者が大勢集まり、リーダーシップをとり健常者を暗闇に案内するなど理解されず、会場を借りることすらできませんでした。
徐々にご理解者が増えるも、世の中を揺るがす痛ましい事件や事故が発生し、社会が不安の渦に飲み込まれるたび、まるでドラマのようなタイミングで開催は白紙に戻りました。視覚障害者のアテンドが事件や事故に巻き込まれたら、自分たちの責任となるのではと判断されたからです。

社会が不安定になると、脆弱な状態にある障害者はそっと蚊帳の外に追い出されてしまう。それはダイアログの活動自体と重なっていました。
本当は、彼らだからこその深い経験と生きる術を持ち合わせているのに、社会に活かされることなく葬られてしまう。

でも、あきらめることは出来ませんでした。誰もが知恵や力を発揮できる社会の実現へと小さな歩みを重ねていきました。そしてやっとやっと訪れた大きな機会。

東京・浜松町「ウォーターズ竹芝」にダイアログ・ミュージアム常設の決定。
しかも、ダークだけでなくダイアログ・イン・サイレンスも、ダイアログ・ウィズ・タイムも同じ場で開催できるのです。あと3か月足らずで夢が叶う!
皆様との再会を夢見て、会場施工やスタッフの研修を進めてきました。応援いただいたアテンドスクールも修了式を迎えることができました。

でも、今回はCOVID-19(新型コロナウィルス)が待っていました。ダイアログをご体験下さった方ならお分かりになるはずです。

ダイアログ・イン・ザ・ダークが「三つの密」で満たされていることを。

暗闇の中は「密閉・密集・密接」です。
緊急事態宣言の発表前に、私たちは自粛要請を受ける形で会場に鍵をかけました。

本当のことを言うと、ダイアログの暗闇は密閉ではなく、換気も十分で、意外と広い空間です。定員は8名、不特定多数ではありません。
でも、まるで幼い子どものようにそんなに密集しなくても、とアテンドが思うほどゲストは密集して歩きます。どう考えても「密接」なのです。

私たちは考えました。人と人が2メートル以上離れて体験できるコンテンツを。それが出来なければもう、ダイアログはつぶれてしまうからです。そして新コンテンツは完成、安全な暗闇の保持もできました。これならやっていける。

でも、違う・・・。

感染の不安を少しでも感じたなら暗闇は恐怖でしかなくなります。

これは本物のダイアログではないように思いました。
社会課題を解決したいと願う私たちのやり方ではなく、社会の状況に合わせ、自分たちの都合を優先させたものだからです。

今、世の中は本当の対話を求めています。

海外の報道では、医療従事者がガラス越しで互いにエールを送っていました。
新型肺炎に罹患したお年寄りは最期の言葉を伝えようと防護服を着た看護師さんからスマホを受け取っていました。

会えなくても、直接触れなくても気持ちを通わせ心を触れさせたい。

人と人が「いのちの対話」をしています。

一方、医療従事者や感染リスクを背負い暮らしを守ってくださる方々にも差別や偏見が生まれていることも苦しく悲しい気持ちで見ています。新型肺炎に罹った方やご家族が励ましの言葉さえもらえず追い込まれていることも知っています。

本当の対話。私たちにもできることを考え続けました。

そうだ。今だからこそ、暗闇を明るくしよう。

新型肺炎が収束するまで、私たちはダイアログ・イン・ザ・ダークに明かりを灯し、まるで小さな灯台のように、アテンドと共に皆さまをお迎えします。

暗闇になる前の会場で、目が見える人も見えない人も、障害があってもなくても、お子さんもお年寄りも、国も超えて、今を感じ対話をしましょう。
今なら暗闇がなくても、みんなで対等な対話ができるはず。

「ダイアログ・イン・ザ・ライト」

この夢に向かって、走ることにきめました。

もしかしたら私たちは、夢の途中で最終回を迎えるかもしれません。
ダイアログの活動は既に存続が難しい状態となっています。多くのスタッフは休業手当をいただき凌いでいます。

どこまで持ちこたえられるか、皆さんの想像を超えた事態に陥っています。でもやれることがある。誰もが対等に出会い、互いを尊重し活かしあう、そんな社会を作る小さな一歩を歩むこと。

もしよかったら、私たちと一緒に歩いてください。

ダイアログ・イン・ザ・ライトをダイアログ・ミュージアムのスタートとして開催するために。

そのために仲間を募ります。
アーティストを募集します。
ふるさと納税を集めます。

やがて明るい暗闇の光を消し、もう一度ダイアログ・イン・ザ・ダークの静かな暗闇を作れますように。

志村季世恵